Hankuk Paper社の FormMasterとOptiFiner Pro

2017年2月21日火曜日

低エネルギーコストでより良い品質 - FormMasterとOptiFiner Proは、Hankuk Paper社での懸案だった品質を改善し、年間でエネルギーコスト 5万ユーロの削減に役立った。Hankuk Paper社の投資目標は1年以内に成果が出た。

印刷用紙市場の世界的な縮小を踏まえ、韓国の Hankuk Paper社 Onsan工場では、内部結合強度と寸法安定性を改善することによって特殊な剥離紙に焦点を絞ることを決定した。しかしながら、同工場の機械は製品品質に長年の課題があり、またどのように装置の近代化を行うにしてもエネルギーコストを下げるといった工場の社会的かつ環境の要請からの目標をサポートする必要があった。

Hankuk Paper社は様々なサプライヤの装置や納入実績、およびコスト競争力を慎重に調査し比較し、その結果、バルメットに決定した。「私たちはバルメットが持つプロセスに関する知見が広範囲にわたり信頼性が高いと評価しました。また、バルメットは装置の品質保証もしてくれました。」とHankuk Paper社の工場長 Cheounghawn Rha氏は話す。「私たちは予想通りの品質向上に加えて、消費電力も削減できたことに満足しています。」

品質改善に寄与したFormMaster

工場は特殊紙の品質と印刷適性を向上させるため FormMasterブレストロールシェーカを選択した。「2015年5月に FormMasterを導入した直後から、国の内外からの実績によってその信頼性は既に証明済みでした。」と副工場長の Byeong-Gyu Hwang氏は語る。「私たちは湿潤膨張率が約2.0%に対応する寸法安定性の目標を1.8に設定しました。最終的にこの乾燥収縮レベルが達成できたことに満足しています。」

FormMaster は、軸方向の揺動力が 60 kNであることから、ストロークをより長くでき、最適な地合の調整に適している。自動平衡ブレストロールが最終製品の外観を向上させ、より低い坪量、すなわちより少ない原料を使って同等の強度的性質を達成することができる。FormMasterによって、Hankuk Paper社がストローク 25 mm、周期 420 rpmで寸法安定性に敏感な品種を抄造するための最適条件を維持することが可能になった。これによって、特殊紙だけでなくこれらの原紙や上質紙の地合改善にも効果が出ている。FormMasterのメンテナンスはトラブルフリーであることが証明された。

OptiFiner Proによって年間 5万ユーロのエネルギーコスト節減

特殊紙の製造において、リファイニングプロセスの制御は欠かせない。Hankuk社の製品は内部結合強さが必要であったことから、リファイニング能力の増加を望んでいた。バルメットのOptiFiner Proリファイナはこれら両方の課題を解決する潜在能力を持っていた。

Before (left) and after (right) installing OptiFiner Pro

OptiFiner Pro設置前の繊維の顕微鏡画像(左)。OptiFiner Pro設置後、リファイニング度は 1ミクロバー分が向上した(右)

OptiFinerコンセプトはディスク間隙を正確に調節することによって、望ましい繊維品質を作り出すことが目的である。高効率な OptiFiner Proを導入して叩解工程を最適化すれば、消費電力を下げながら繊維品質を向上させることが可能になる。 Hankuk Paper社では、OptiFiner Proが PM1のリファイニングラインで 2台のコニカルリファイナに置き替わった。今では、新しく装備した OptiFiner Proを用いてこのラインはリファイナーを 4台から 2台に減らして運転している。 OptiFiner Proの据付以来、工場は消費電力を節減しながら一部の特殊紙を除くのすべての品種で1日当り絶乾相当量で 124トンの生産を行ってきた。

剥離紙では、内部結合強さが 140 ft-lbf/in2から 170~200 ft-lbf/in2まで向上させることができた。処理量、濃度あるいはリファイニングの度合いにいかなる変更も加えることなく、工場は年間 5万ユーロの節約に匹敵する省エネ、つまり年間 114 kWhの節約を達成した。

省エネだけでなく、工場は100% BKPからBKPとCTMPの混合パルプに切り替えることによって原材料コストも節減できた。

操作のしやすいリファイニングプロセス

新しいリファイナーを運転することで Hankuk Paper社の操業の負担が軽くになることが判明した。「使い慣れたステータスバーやリファイナーのユーティリテイ条件を含む機側のディスプレイ機能は非常にわかりやすく、メンテナンスが楽になりました。」と製造チーム 1のパートリーダーである Seung-Back Lee氏が語る。「リファイナーセグメントの寿命を 6ヶ月から 8ヶ月に延ばすことに成功しました。」