バルメットの新しい低摩擦ドクターブレードはエネルギー効率を改善

2024年4月25日木曜日

集中的な研究開発とお客様のトライアルの成功を経て、バルメットはドクターブレードファミリーに新たなメンバーを加える準備が整った。新しい持続可能な低摩擦ドクターブレードは、板紙抄紙機・抄紙機の特にドライヤセクションにおけるエネルギー効率の改善に役立っている。

バルメットの新しい低摩擦ドクターブレードはエネルギー効率を改善

バルメットが提供するドクター製品のポートフォリオには、ドクターブレード、ホルダー、さまざまなアクセサリーが含まれている。今日、製品開発の対象は、エネルギー、薬品、原材料を節約するソリューションへとますます広がっている。

私たちは、製品を製造するために新しい材質を探求したり、お客様が製品を通じて環境に与える影響を軽減できるような機能を開発したりすることで、提供する製品の持続可能性を向上させるため努力を続けています。後者については、板紙抄紙機・抄紙機の特にドライヤセクションでのエネルギー効率の改善に役立つ、持続可能な新しい低摩擦ドクターブレードを紹介できることを誇りに思います。」とペーパープロセスパーツ担当グローバルテクノロジーマネージャー Pasi Viitasaloは述べる。

新しいドクターブレードは、低摩擦フィラー(充填材)を用いた炭素ガラス繊維およびガラス繊維強化複合材ブレードである。これらの省エネ機能により CO2排出量と操業コストが低減するが、新しいブレードはドライヤシリンダのクリーン化にも貢献し、ブレード寿命の延長によってドクターブレード使用量も低減する。

なぜ低摩擦ブレードなのか?

およそ 10年前、フィンランドの技術研究センター(VTT)で抄紙機の摩擦によるエネルギー消費について世界的な研究が行われた。その結果、ドクターブレードの摩擦がドライヤセクション内部の電力消費の62%を占めていることが示された。

「それ以来、私たちは新しいブレード材質を開発し、数多くの摩擦テストを実施し、その結果を分析してブレード材質とその他のパラメータの最適な組み合わせを見つけ出しました。ガラス繊維ブレードおよび炭素ブレードの性能は、ドクター表面、ドクター荷重圧力、ブレード角度、ブレード厚み、マシン速度に対して計測されました。」と Viitasaloは説明する。

大幅な省エネを達成

新しい低摩擦ドクターブレードの発表に備えて、バルメットはVTTと共にさらなるテストを実施した。この研究では、20種類以上の異なるブレード材質が摩擦に対して測定された。この研究を受け、2023年末にヨーロッパのお客様の工場でトライアルが実施された。

お客様のトライアルでは、①現行仕様のブレード+現行のドクタリングパラメータ、②低摩擦ブレード+現行のドクタリングパラメータ、③低摩擦ブレード+最適化されたドクタリングパラメータの 3つのステップで比較された。

お客様から提供されたデータを基に、オリジナルのブレードおよびパラメータとバルメットの低摩擦ブレードと最適化されたドクタリングパラメータとを比較すると、絶対電力消費は 26%以上減少しています。これにより、大幅なエネルギーコストの節約と CO2排出量の削減が実現しました。これは非常に優れた結果だと思います。」と Viitasaloは述べる

新しい低摩擦ドクターブレードは、メーカーを問わず、すべての板紙抄紙機・抄紙機に適している。

低摩擦ドクターブレードに関するお問い合わせ先:
バルメット株式会社 サービス事業部 プロダクトセールスチーム 電話 0123-29-4490

 

トータルの節約額は、マシン全体で使用されるドクターブレードの費用よりも大きくなります。
- ヨーロッパの板紙工場

持続可能な低摩擦ドクターブレード

  • 消費電力26%削減
  • 電力削減量 年間950 MWh
  • CO2排出量削減 年間190トン
  • コスト削減 年間15万ユーロ(2,000万円以上)