ノウハウを手に入れる - Cartiere del Gardaの競争力を飛躍的に高めるために
2016年7月1日金曜日
バルメットのプレスニップ分析サービスは、生産力を向上させてコストを削減するだけでなく、基本的なノウハウを手に入れるための手助けとなった。
北イタリアの Riva Del Garda に位置する Lectaグループの Cartiere del Garda工場は、水分プロファイルとプレスフェルトの寿命を伸ばすためにバルメットの iRoll ポータブルによるプレスニップ分析サービスを使用することを決定した。生産量増加と生産コストの削減に加え、この工場は将来の市場での位置を強化するための基本的なノウハウを手に入れた。
「製紙業界で成功するためには、ノウハウが極めて重要です。」と Cartiere del Garda工場の抄造部長 Antonio di Blas氏は述べている。「もしノウハウを失えば、勝負にも負けて市場から撤退することになるでしょう。」
正確な測定手法
本工場では、PM3における抄紙要具の磨耗量増加に気付き、その問題は過大なプレスニップによるものだと推測していた。「赤外線温度管理を実施していたが、フェルト寿命は低下する一方でした。しかし、他に測定できる有益なパラメータはなく相談できる相手もいませんでした。そこで我々は新しい技術の導入を模索し、バルメットの iRoll テクノロジーにたどり着いたのです。」と di Blas抄造部長は説明した。
iRoll ポータブルによるプレスニップ分析サービスは、動的ニッププロファイル測定であり実操業と同じ条件でテストが行える。「我々はすぐにプレスパートにおける iRoll テクノロジーの可能性を理解しました。例えば、iRoll では動的な測定を長時間に渡って行えます。それは我々にとって非常に魅力的でした。」
iRoll はプレスにおける走行性を改善
iRoll ポータブルによる分析は 2015年 4月に行われた。本測定は、フェルト磨耗が早い領域でニップ加圧が実際に低いことを示した。
「その結果、我々はニプコロールに追加の冷却ラインを新設しました。測定結果に基づくバルメットのスペシャリストの提案に沿った加圧パラメータに変更しました。」と di Blas抄造部長は述べた。本工場では、手動モードでバルメットの提案に基づく新しい加圧プロファイルを採用した。
Cartiere del Garuda社にとって、iRoll テクノロジーを活用することは問題解決だけではなく、ノウハウ蓄積という視点から正しいものであったと判断された。
「我々の場合、iRoll テクノロジーの導入によりプレスセクションの走行性を改善できました。」と話す Cartiere del Garda工場 抄造部長 Antonio di Blas氏 |
フェルト長寿命化とより良いニッププロファイル
数ヶ月後に、iRoll ポータブル分析結果に基づく変更がよい結果となって現れた。フェルト寿命は磨耗の減少により 30日から 50日にまで延びた。このことは、毎年必要なフェルトが 12反から 8反まで減少することを意味する。さらに、水分プロファイルとリールでの巻取効率も向上した。さらに、プレスロールカバーの寿命も長くなり、メンテナンスと再研磨コスト低減も実現した。
良好なプロファイルは走行性の改善と高速化による生産量増加を意味する。「しわ問題が解消したおかげで、我々は 30m/minの高速化を実現しました。これは、我々にとって非常に大きな前進でした。」と di Blas抄造部長は述べた。
「我々は、バルメットのサービスとその結果に本当に満足しています。我々は、抱えていた問題点に関する解決策を得ることができました。実際には、2倍の成功とも言えます。なぜなら、正確な技術的説明を得たこと、さらに将来へ省エネのための解決策を無償で得ることができたからです。」と di Blas抄造部長は総括した。
iRoll ポータブル測定とニッププロファイルの最適化
iRollポータブルサービスは、紙品質改善とニッププロファイルを最適化することができる、費用対効果に優れた革新的なニッププロファイル測定方法である。
- プレス、サイザ、リール、ワインダとコータへ適用可能
- 紙および抄紙用具のテンションプロファイルも測定可能
- 伝統的な感圧フィルムと感圧センサによる測定は、ロール表面に貼り付けられた精度の高いセンサに置き換えられた
- 測定されたニッププロファイルは、運転中と同じ条件で可視化される