Heinola向け BFB - 30年以上の稼動で未だ力強い運転を継続
2016年4月22日金曜日
フィンランドの Heinolaにある Stora Enso Fluting工場に納入されたバブリング流動床ボイラー(BFB)は、1984年後半の稼動以来約 250,000時間運転されている。
80年代には多くの技術進歩が見られ、その一つが流動床ボイラー技術の導入であった。バルメット(その当時はタンペラ)のこの革新的なコンセプトでの最初 の大型ボイラーは、板紙生産のためのプロセス蒸気と Heinola地区向け暖房用熱源としての蒸気を 30年以上供給している。
バルメットのプロダ クトマネージャー Jukka Louhimoは30年以上前のことを良く覚えていて、「その当時、私は若いプロダクトエンジニアで、Heinolaボイラーは私が携わって納入した最初のボイラーの一つです。微粉炭燃焼システムとコンバインした弊社の BFBはそれ以前には誰もテストしていなかったため、多くの開発・研究を必要としました。」
120 MWのボイラープラントは粉砕された泥炭、バークと工場の排水処理からのスラッジ燃焼用として設計された。最大能力を確保するため、ボイラーには微粉炭燃 焼用ロードバーナーが装備された。「我々はベッドでの石炭燃焼による火炉の磨耗リスクを認識していました。しかしながら、磨耗の問題は発生しませんでし た。」と Louhimoは付け加える。
運転開始 5年後、Heinolaの BFBボイラーはバルメットにとって重要な納入実績となった。世界初の BFB技術に基づいた大型のマルチフューエルボイラーとして、これは世界的な興味を掻き立てた。Louhimoは思い返して言う。「例えば、スペインのお 客様がユーカリのバークを燃焼テスト用に送ってきて、満足行くテスト結果により注文に結びついたことがあります。」
高い稼働率が絶対条件
最初の燃料、粉砕された泥炭、バーク、スラッジに加えて、ボイラーは今日、森林残渣も燃料としている。石炭と重油は冬場のピークロード時にロードバーナー用として使用される。重油は何かあった場合のバックアップ燃料としても使用される。能力は 85 MWとなっている。
運転開始から BFBボイラーは約 250,000時間経過した。「その稼働率は良好なレベルです。これは我々のメインボイラーであり、高い稼働率が絶対条件 で、たった 1回の 2週間のサービスシャットダウンしか許されません。」 Stora Enso Heinola Fluting工場のエネルギー部開発部長である Eija Liikola氏は指摘する。「我々はボイラーの状態を常にモニターし、チェックし、プロアクティブなメンテナンスを行っています。」 工場とバルメットの間でボイラー点検のための 3年間の契約を結んでいる。
2006年、バルメットはボイラーの自動化システムを、安全インターロックシステムとバルメット DNA LCPエミッションモニターを含めたバルメット DNAへのアップグレードを行った。2007年にはバルメットはパワープラント向け排ガススクラバーと電気 集塵機を納入した。これらの投資により硫黄酸化物とダストの低いエミッションレベルを達成した。バルメットは 2012年に燃料供給システムのアップグレー ド、2015年にスーパーヒーター 3基の更新を実施した。
「我々のバックアップボイラーの運転ライセンスが 2016年1月に期限切れとなるため、この BFBの稼働率が以前にも増して重要となります。もし予期しないシャットダウンが発生したら工場全体を停止しなければなりません。」 Liikola氏は指摘する。
次のチャレンジはNOx低減
すべての老朽化したボイラーでのチャレンジの一つとして、それらが今日の厳しいエミッション規制値に対応していない事が挙げられる。
「我々の大きなチャレンジは NOxエミッションです。バルメットはいくつかの調査を実施し、選択的触媒還元(SCR)システムが唯一の解決方法であると思われます。」 Liikola氏は続ける。「我々は Best Available Techniques Reference Documentが確定後、最終的な投資決定を行う予定です。その規制値が工業界での排出規制値より低くなると考えられるため、2度投資することは避けなければなりません。」
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