エアドライヤの技術革新がもたらす節約

2019年6月18日火曜日

Cartiere del Garda社のオフライン塗工機に新しいノズルを装着してエアドライヤを改修した。その結果、速度は上がり、エネルギー消費量が減り、ウェブの安定性も向上した。何よりも同社は、その顧客に対し今まで以上の品質を、より軽い等級の製品についても保証できる。

“We immediately noticed a clear improvement in the machine operation, web stability and energy saving in paper production,“ says Stefano Betta, Beloit PMC Responsible.

製紙業者は革新的な紙製品の製造に全力を尽くしている。ユーザーと市場の両方の変わりゆくニーズに、真に応えるためだ。Cartiere del Garda社にとっては、これは必要不可欠なことである。世界中の顧客が Lectaブランドに信頼を置いているからである。

Valmet air dryer nozzles

バルメットのエアドライヤノズルを使用することで、古いエアドライヤを、高蒸発、低エネルギー消費の最新機に更新することができる

「私たちのお客様は、高品質の紙製品を求めています。紙上に印刷されるものを見れば分かります。」Cartiere del Garda社のコーティングプロセスを担当する Vittorio D’Olif氏は言う。イタリアの Lecta Groupの Garda工場は、出版および広告業界向けの高級上質紙を製造している。紙のトップコートグレード重量は 90〜400 g/m²だ。同工場には 2台の抄紙機と 2台の塗工機がある。

私たちは、これまで以上の品質をお客様に保証することができます。”

エアドライヤと新型ノズルによる性能向上

持続可能性、省エネルギー、ハイエンドの製品品質が、バルメットのエアドライヤ技術の強みだ。ハイエンドの製品品質と製造工程の環境性能も工場の最優先事項である。Garda社はバルメットと協力の上、塗工工程の性能を向上することを決めた。

「私たちはいくつかの課題を抱えていました。高いドロー、安定しないウェブなどです。フラッタリングもありました。また Beloit社製オフライン塗工機のエアブロー部品は、特に腐食に関して保守上の問題がありました。」Beloit PMC担当 Stefano Betta氏が改修の背景を説明する。

以前、バルメットは、オンライン塗工機を備えた PM 2設備に新しい OptiDry Coatエアドライヤを設置することに成功した。この場合、正しい解決策は、4つの古いエアドライヤに新しい高性能のエアドライヤノズルを取り付け、第三紙層の乾燥と品質を向上させることだ。取り付けにはそれほど時間は掛からず、円滑に進んだ。

これまでのプロジェクトを通して築き上げてきた信頼があり、バルメットに依頼し、解決策を立てる決断をしたのは当然の成り行きだった。「私達はバルメットとプロジェクトを進めることを決断しました。これまで既に有益な経験を共にしていたからです。バルメットの能力および相互の信頼関係があり、成功は確実と信じていました。」D’Olif氏は振り返る。

Vittorio D’Olif

「ウェブは以前の古いノズルよりもはるかに安定しました。調整はたった一日で終わりました。新システムは非常に使い勝手が良いことが、直ぐに分かりました。」Vittorio D’Olif氏は言う。

35%の省エネと、より良いウェブ安定性

同工場によれば、塗工機の運転、ウェブの安定性、および紙製造における省エネルギーにおいて、直ちに改善の効果が現れた。

「立ち上げ当初から、塗工機をスピード面で更に改善することができました。これにより最終製品の品質に影響を与えることなく、いくつかの利点が得られました。その結果あらゆる分野で、マシンの性能を向上することができました。」Betta氏は振り返る。

From left: Stefano Betta, William Mascher and Vittorio D’Olif of Cartiere del Garda

左より: Cartiere del Garda社 Stefano Betta氏、William Mascher氏、Vittorio D’Olif氏

エネルギー消費は、生産されるグレードによって異なるが、15-35%低くなった。以前は特定のグレードについて速度を落とす必要があったが、もうその必要はなくなった。いくつかのグレードについて、Garda社は品質を犠牲にすることなく、これまで以上に高速での稼働が可能になった。

「私たちは、低いグレードについても、これまで以上の品質をお客様に保証することができます。フラッタリングは、もはや問題ではありません。お客様満足度はさらに高くなりました。インクの染みのような印刷上の欠陥がなく、印刷適性が良いからです。今の市場は、難しい時期にあります。ですから顧客の満足を得るのは良いことです。」D'Olif氏は断言する。

本文: Kaisamaija Marttila
写真: Joonas Nieminen, Kaisamaija Marttila

本記事は広報誌 Forward magazine 2/2019に掲載されています。