新しい OptiPressを用いてさらなる効率と走行性
2016年10月12日水曜日
チェコ共和国にある Mondi社 Štêtí工場の PM5のプレスセクション全体の改造がモジュール設計を用いて行われた。試運転とスタートアップはたった一週間の計画であり、スタートアップ後はわずか 3日で販売可能なクラフト袋用紙を生産した。ドライネスが増せばウェブの走行性が向上し蒸気消費量が減少する。その結果として、当工場がバルメットによる改造コンセプトと協力関係に満足しているのは不思議ではない。
「私たちの古いプレスセクションは最先端技術ではありませんでした。」と Mondi Stetiのシニアプロジェクトディレクタである Helmut Riesenberger氏は語る。「近代化の狙いは省エネの達成と紙ウェブの走行性の向上でした。」工場はあらゆる点を考慮した後、既存のプレスパートのどの部分も使うことなくプレスセクションを全面的に改造するといった大胆なステップを採用した。スタートアップは 2015年10月であった。
休転期間の最小化
休転に必要な時間を最小化することで改造がさらに効果的になり、これはプロジェクト全体の利益性に効果を及ぼす。Mondiとバルメットは改造工事を協力して行った。とりわけ、試運転段階はできる限り効果的に作業が行えるように協力した。「プレスセクションはフィンランドで仮組を行っていたことで、現地工事ではかなり迅速な据付が行えました。カンチレバービームを持たないモジュール化設計を取り入れており、これによって私たちは工事に投入すべきエネルギーはずっと少なくて済むことになりました。これは同時に低コストを意味しており、正に初日からスタートアップまで計画通りでした」と Riesenberger氏は思い出す。
バルメットはこの技術に加えて、新しいプレスセクション用のマシン制御システムを既存のオートメーションシステムに統合した。Riesenberger氏は、オートメーションと技術の両方を 1つの責任あるサプライヤに任せることの利点を理解している。「これは長所です。もちろん、私たちはこれを違ったふうに解決することができます。しかし、これが最速の解決策だと思います。とりわけ改造では時間が限られています。機械のサプライヤはシステムをいかに運転するかを一番良く知っているので、これが妥当な解決策なのです。」
新しいシステムは診断とトラブルシューティングがとても容易に行える。「プレスセクションのバルメットのマシン制御システム(MCS)は既存の分散制御システム(DCS)に完全に統合されていることから、このシステムを維持することで将来必要なときはいつでもあらゆるデータと数値を取り出すことができます。」と Riesenberger氏は追加する。
ドライネスと走行性の改善
新しい OptPressプレスセクションの性能について尋ねると、Riesenberger氏は即答する。「もちろん、鍵となるのはドライネス値です。ドライネス値が高くなれば走行性は向上します。ドライネス値は今では改造前よりも高くなっています。これは私たちに蒸気の面で多大な利点を与えてくれます。というのは莫大な蒸気消費量の削減ができたからです。」と語る。真空の使用は以前と同じレベルでありながら、生産量はむしろ増えているのである。加えて、紙切れ回数をかなり低減することができた。
「あらゆる効率に関する数値、すなわち時間、材料および速度は改造前の数値に比べて改善しました。」と Riesenberger氏は結論する。
より良いプロファイルにより品質の向上
PM5で製造したブラウンクラフト袋用紙は要求度の高い顧客のニーズを満たさなくてはならない。可能な限り最良の強度とこわさが必要である。というのは、袋は荒っぽい取扱いや過酷な天候に耐える必要があるからである。優れた走行性は、効果的な加工や顧客の要望を満たす優れた印刷適性を達成するために必要である。
「プレスセクションの配置と基本デザインは、実際は期待してなかった高速でさえもより良いプロファイルを与えてくれます。私たちは初日から非常に良い数値を得ていました。」と Riesenberger氏は説明する。彼は続けて、「新しいコンセプトの最大の利点はニップ間にフリードローがないことです。このことが、引張強さと伸びといった紙の性質にプラスの効果をもたらします。出口ドライネスが高くなったおかげで、CD伸びへの ”スマイル” 効果の改善、つまりセンターリールとエッジリールの差を小さくすることができました。また、私たちはもっと高いドライネス値(より高いプレス荷重で)を持つことができるとともに、私たちが必要とする有孔度も保持できます。これは袋用紙にとって重要です。実際のところいくぶん低い値を見積っていたのですが、不変のままでした。今も同じ値を得ています。」
完全な協力関係
このような複雑なプロジェクトは良好な協力関係がなければ決して成功はない。「私はまったくの初日から本当にバルメットにサポートされたと感じています。彼らは反応を示し、私たちに耳を貸し、あらゆる話題に関してオープンな議論を持ちました。意見の相違がありましたが、最終的には私たちは常に共通の視点といかに進めるかのビジョンに到達しました。」と Risenberger氏は述べる。「このプロジェクトは非常に組織的でした。確かな標準を持つというこのアプローチは、私が正しくバルメットに求めていたことです。協力関係の威力はスムーズなスタートアップに見ることができます。フルスピードにて販売可能な紙を製造するすべてのパラメータをわずか3日で得ました。」と Riesenberger氏は要約する。