NOx排出の削減
2016年2月8日月曜日
Helen Ltd.はフィンランドのヘルシンキにある Salmisaari Bボイラーからの NOx排出量を、アンモニアの代わりに尿素を使用するバルメットの効率的選択触媒還元(SCR)システムによって削減した。
産業排出指令によって設定された新しいより厳しい窒素酸化物(NOx)規制値は、ヘルシンキ市が所有する会社 Helenにとって挑戦となった。NOx排出をさらに削減するため、Salmisaari発電ボイラー向けにバルメットの SCRシステムを採用した。
「世間の傾向から、可能性のあるサプライヤからより早いリファレンスと装置に対するさまざまな基準への対応を求めました。私たちの技術的および他の主要な基準と、操業コスト、それに価格、これらを満足することを基本にバルメットが最上位にランク付けされました。」とHelenのプロジェクトマネージャー Reima Rynö氏は話す。
Rynö氏はバルメットとの良好な協力に感謝している。その関係は Helenの事前学習時期から既に始まっており、入札前には既に良好であった。「私たちはいくつかの装置サプライヤに彼らが供給できる NOx削減法について尋ねました。バルメットは私たちの質問に回答することに非常にアクティブで、そのことがバルメットという会社の非常にポジティブなイメージを私たちに与えました。」
現場で加水分解によって製造されるアンモニア
バルメットの SCRソリューションは、窒素酸化物が害のない成分である水と窒素分子に分解される効果的な NOx削減方法である。これは還元剤と触媒を使用し SCRリアクター内で起こる。触媒の目的は反応の速度を上げることである。この方法の利点は、最小の操業コストで還元効率を最大に - NOxの90%以上の還元、することである。
窒素酸化物を除去するための触媒法は従来アンモニアを還元剤として使用するが、Salmisaari Bでは安全の理由からアンモニアを尿素に置き換えた。「私たちの発電所はヘルシンキの街中に位置します。関係機関の規制から多量のアンモニア水を屋外に保管することや、アンモニアを市内で移動させることを許されません。」とRynö氏は説明する。
バルメットのソリューションでは、加水分解装置を使用し尿素水をアンモニアガスに変換する。
写真: Helenのプロジェクトマネージャー Reima Rynö氏は、Helenの事前学習から既に始まっていたバルメットとの良好な協力に感謝している。(写真はいずれもHelen Ltd.)
成功した改造
Salmisaari Bでは SCRシステムが粉炭燃焼ボイラー内に据付けられた。装置に加え、バルメットの完全請負納入にはエンジニアリング、プロジェクトマネージメント、 調達、鋼材構造物、据付、スタートアップが含まれ、Helenは装置に要求される基礎と建屋を担当した。新しいシステムは最近バルメットがアップグレードしたプラント全体を見るバルメットDNA制御システムに組み込まれた。
完全に構築された環境を尿素保管、加水分解装置、触媒リアクターによって改造することは能力が試される挑戦だった。
「プロセスにとって装置の各ユニットがお互いに離れ過ぎていない良い場所を見つけることが不可欠です。例えば、リアクターは電気集塵機の上の非常に狭い場所に据付けられました。」とRynö氏は説明する。「バルメットの据付作業、技術的専門知識、プロジェクトマネージメントはトップクラスでした。プロ ジェクトチームと働くことは満足できるものでした。」
排出規制の下
SCRシステムは 2015年11月にスタートした。「非常に初期の頃からその性能は優秀で、私たちの要求を上回りました。すべての新しいシステムがそうであるようにいくつかのマイナーファインチューニングは必要でしたが。」と Helenの Salmisaari 発電所の操業マネージャー Rauno Kontro氏は述べる。「このプロジェクトは今まで行ったプロジェクトの中で最も痛みのないものでした。」
新しいシステムの据付前の Salmisaari Bの年間 NOx平均排出量は 6%酸素で若干 500 mg/Nm3を下回る値だった。それが今では約 50 mg/Nm3である。
ポーランドへの4つのSCRシステム
過去 20年の間、バルメットは数多くの新しいボイラーや改造ボイラーに SCRシステムを納入してきた。最近の注文のひとつにはポーランド Inowroclawの CIECH Soda Polska S.A’s CHPの 4基の OP-100石炭燃焼ボイラー向けの SCR技術がある。最初の据付が 2016年6月に始まり、納入には湿式石灰排煙脱硫ソリューションも含まれている。